書きっぱなしジャーマン

投げっぱなしジャーマンのごとく書き殴った映画鑑賞記録です。

SCOOP!

あらすじ

写真週刊誌「SCOOP!」に所属し、数々のスクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静(福山雅治)。しかし、今ではギャンブルに溺れている上に借金に追われつつ、フリーランスのパパラッチとして生活していた。そんな中、「SCOOP!」に配属されてきた新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とタッグを組むことに。情報屋のチャラ源(リリー・フランキー)からのネタと場数を踏んできて培ったベテランならではの勘を武器に次々とスクープをものにする静たちだったが、やがて大きな事件に関わることになり……。

映画『SCOOP!』 - シネマトゥデイ

感想

もともと芸能レポーターとかゴシップ誌のようなものにあまり良いイメージはもっていないので、もしかしたら合わない作品かもなと心配してましてが、作中で変に美化しているような部分もなく、当人たちもゲスい仕事ということは自覚している前提があったので、そのあたりは特に気になりませんでした。

前半はおもに新人の野火がベテランカメラマンの都城とコンビを組んで芸能スクープを撮っていく様子が描かれます。やっていることはゲスいんですが、初めはイヤイヤだった野火が徐々に仕事の面白さに気づいて乗り気になっていく過程は、意外に普通に成長モノとして楽しめます。

ただし、物語全体としては整合性がとれていない部分が多くて、正直あらが目立つなあという印象。

政治家の熱愛スクープを撮るシーンでは、写真を撮った後にSPに追われてカーチェイスになる展開があるのですが、街中をドリフト走行で走ったり、ロケット花火みたいな奴をSPの車に発射したりと、ここだけいきなりフィクショナル度が上がりすぎてなんだか不自然。

物語のメイン展開のひとつでもある、殺人事件の犯人の顔写真を抑えるシーン。現場検証のタイミングで写真をおさえる計画ということなのですが、直前のブリーフィングではドローンを使うのは禁止区域なのでダメとか、廃車置場は立ち入り禁止なので入れないとか言っているのに、実際に現場にいったら普通に廃車置場に入ってるし。 馬場が現場検証の規制テープの中に入っていて警察官を突き倒しているのは、公務執行妨害じゃね? と思ったり。 あと、そもそも犯人は別に未成年ではないようなので、警察があそこまで厳重にガードするのもおかしい。

まあ挙げるとキリがないのですが、上記のような不自然で「んっ?」と思うような部分が多すぎました。パーツとしては面白い箇所がたくさんあったのに不自然さに押されて後半のシリアス展開に入り込めなかったというのが残念なところです。

役者さんで印象に残ったのは、リリー・フランキー演じるチャラ源。危ういけど悪い人ではない、でも完全に狂っているあの感じ。最高でした。